母の終活の手伝いで借地権問題を解決しました

ずいぶん前になりますが、親が終活を始めたと書きました。*こちら☞「親が終活はじめました。
まだ70歳だったので、終活なんて早すぎるのではないかと思って、私はあまり気乗りしませんでした。

しかし、終活を進めていくうちに「早めに対処してくれて良かったな」と母に感謝することも出てきました。

それは、母が相続によって借地権を持っていることが分かったときでした。

母が借地権問題に向き合う

両親はその借地にある家には住んでいませんでした。
その家はもともと母方の祖父母が住んでいたとのことで亡くなった時に相続したのです。

母は相続をしないで家は取り壊そうと思ったけれど、地主さんに支払う地代も少額だったため、そのままなあなあにしていたとのことでした。
その時は子育て中だったので、解体費用にまとまった金額をつぎ込むことに不安を感じており、結局はそのままにしてしまったというのです。

さすがに廃墟化させてご近所さまに迷惑が掛かるのは申し訳ないと、年に数回は出かけて行って庭の手入れや建物を維持していたらしいです。

しかし最近はヒザも痛くなってきたし、体力的にも厳しい年齢。
それに住んでいないのに地代を払うのはもったいないと思うようになり、息子(私)に相続させようにも、すでに住まいを購入している身では持っていても仕方がないため決着をつけようとしていました。
そして、借地の更新も迫っていたため、そんな状況だったので、終活を期に借地権をすっぱり手放そうと決意したそうです。

借地権は譲渡できるらしい

子育ても終わったから、いろいろ腹を括って解体し、更地にして地主さんにお返ししないと…と言っているのを聞いたので、何気なくネットで調べてみたら、借地権は地主の許可を得て、承諾料や名義書換料という‿対価を払えば、売れると分かりました。

ただ、借地権なんて買うやつがいるの?という疑問がありましたので調べてみることに。
借地権と底地は売りにくい不動産であるという情報があちこちから出てきて、調べれば調べるほど、地主とのトラブルが起こりそうなややこしい手続きが出てきました。
「これは、自分たちだけで対応するのは難しいもしれない…」と思い、母には借地権を専門にしている不動産業者に依頼することを勧めました。

何故なら、一般の不動産会社で借地権扱うのは難しく、特殊なケースが多いので経験と実績のある専門の業者が損じすることを知ったからです。

参考:借地権の売却・売買・譲渡

地主との交渉

先ずは地主さんと話し合わないことには何も始まりません。
不動産業者の力も借りながら、地主さんと相談をしました。

どうやら地主も相続して受け継いだようで、私と同じか、少し年上蔵の年齢でした。

最初は、地主に借地権を買い取ってもらいたいと思っていましたが、地主は借地権を買い取ることにあまり魅力を感じていないようでした。
しばらくは忙しくて、とても不動産の運用に構っていられないという状況で、むしろこのまま放っておくだけでも、微々たるものだけど地代が入ってくるのだからこの状態を変えたくない様子でした。

 

不動産業者の担当者が「それなら借地権・底地を同時売却しませんか」と提案しました。

同時売却をすすめた理由は一般の不動産と同等の価値で販売できるので借主にとっても、地主さんにとってもどちらにもメリットがあるからなのです。

地主さんは「先祖代々の土地だから、簡単に売れなくて……」という話をされていましたし、売却する意思はあるようでした。

そこで売却の許諾をいただき、私たちのほうで譲渡先を探すことを提案しました。

借地権を売却できました!

家と電卓

売却価格に対する分配割合を調整し、地主さんが低地を手放すことに合意してもらうことができました。

駅からの距離や、周辺環境があまり拓けていなかったため、売り出しをしても難航するだろうという予想でした。

しかし、借地権だけを売り出してもきっと買い手などつかなかったでしょうが、同時売却にしたおかげ買い手が見つかりました。
最近は空き地をDIYリノベーションして住みたいという方も増えているそうで、運よくそのような方に巡り合えたのです。

1年半くらい掛かりましたが、借地権を手放せて私も母もホッとしています。